ROS-O (ROS One) のインストールと使用方法#
ROS-Oについて#
ROS-O (ROS One) は,Ubuntu 20.04以降のバージョンで動作するROS 1パッケージを提供するコミュニティリポジトリである.OSRF(Open Source Robotics Foundation)が公式にサポートしていた最後のバージョンはUbuntu 20.04であったが,ROS-Oはそれ以降のUbuntuリリースでもROS 1を利用可能にしている.
特徴#
Ubuntu 24.04 (Noble Numbat) 対応: 最新のUbuntu環境でROS 1を使用可能
GitHub Actionsによる自動ビルド: 継続的にパッケージが更新される
コミュニティベース: 必要なパッケージのリクエストを受け付けている
学科PCでの使用方法#
学科のPCには既にROS-Oがインストールされているため,以下のコマンドを実行するだけで使用できる:
source /opt/ros/one/setup.bash
このコマンドをターミナルで実行すると,ROS-Oの環境が有効になり,roscoreやroslaunchなどのROSコマンドが使用可能になる.
個人PCへのインストール方法#
個人のPCにROS-Oをインストールする場合は,以下の手順に従う.
1. ROS-Oのaptリポジトリを設定#
# curlをインストール(まだインストールされていない場合)
sudo apt install curl
# GPGキーをダウンロード
sudo curl -sSL https://ros.packages.techfak.net/gpg.key -o /etc/apt/keyrings/ros-one-keyring.gpg
# aptリポジトリを追加
echo "deb [arch=$(dpkg --print-architecture) signed-by=/etc/apt/keyrings/ros-one-keyring.gpg] https://ros.packages.techfak.net $(lsb_release -cs) main" | sudo tee /etc/apt/sources.list.d/ros1.list
# デバッグパッケージ用リポジトリ(コメントアウトされた状態で追加)
echo "# deb [arch=$(dpkg --print-architecture) signed-by=/etc/apt/keyrings/ros-one-keyring.gpg] https://ros.packages.techfak.net $(lsb_release -cs) main-dbg" | sudo tee -a /etc/apt/sources.list.d/ros1.list
2. rosdepのインストールと設定#
rosdepは,ROSパッケージの依存関係を管理するツールである.
# パッケージリストを更新
sudo apt update
# rosdepをインストール
# 注意: python3-rosdep2はインストールしないこと(古いバージョンである)
sudo apt install python3-rosdep
# rosdepを初期化
sudo rosdep init
3. ROS-O用のカスタムrosdepマッピングを定義#
# ROS-O用のパッケージマッピングを追加
echo "yaml https://ros.packages.techfak.net/ros-one.yaml one" | sudo tee /etc/ros/rosdep/sources.list.d/1-ros-one.list
# rosdepデータベースを更新
rosdep update
4. ROSパッケージのインストール#
必要なROSパッケージをインストールする.例えば,デスクトップ版をインストールする場合:
sudo apt install ros-one-desktop
その他のパッケージも同様にros-one-というプレフィックスを付けてインストールできる.
5. 環境設定#
インストール後,以下のコマンドでROS環境を有効化する:
source /opt/ros/one/setup.bash
最新ビルドの使用(オプション)#
最新のビルドを使用したい場合は,-testingリポジトリを利用できる.手順1でリポジトリを追加する際に,$(lsb_release -cs)を$(lsb_release -cs)-testingに置き換える.
注意: testing版は安定性が保証されていないため,本番環境での使用は推奨されない.
ビルドスケジュールと同期#
Nightly Build: パッケージは毎晩自動的にビルドされ,
-testingリポジトリにリリースされるメインリポジトリへの同期: 約2ヶ月ごとに不定期でメインリポジトリに同期される
参考情報#
パッケージの追加リクエストは,ros-builder-actionのros-one.reposファイルにPRを送ることで可能である.